趣意書

青森経済同友会設立趣意書

 21世紀を目前に、我が国は今大きな変動に直面しています。政治的には戦後日本の進路を担ってきた自由民主党政権が終焉、多数の政党による連立政権が誕生しました。一方経済の面では、長い間続いてきた好況も、バブルの崩壊により一転不況、低成長へと厳しい環境になっております。

 経済同友会は、終戦直後の昭和21年、日本経済再建のため、廃墟の東京で有志が結集して、生まれた集団であります。以来、今日まで50年近くにわたり、一貫してより良い経済社会の実現、国民生活の充実をはかって、諸問題に積極的に取り組んできているところであり、その後、各地域の経済同友会が続々と発足し、このたび青森経済同友会の設立を計ることとなったものであります。

 青森県は第一次産業を基盤とし、県経済はこれに大きく依存しております。しかし、台風、冷夏等異常気象により、米、りんごが連続して大きな被害を受け県経済全体に深刻な影響を及ぼし、大きな問題となっているほか、県民悲願の新幹線盛岡以北フル化早期実現等重要課題が山積しております。もちろん、県政財界にあたっては、関係機関において、それぞれ懸命な努力が払われているところですが、当会も各界、各機関と連繋を取りつつ、時代の要請に即応、貢献することを目標に会を進めて行こうとするものであります。

 このような趣旨において、青森県内に事業基盤を有する企業、および産業経済団体等の有志による、地域経済開発推進機構として、本会を設立するものであり、創造性の発揮と民間活力を高めることによって、多岐にわたる政策提言、事業の展開等を進め、郷土「青森県」の発展と活力ある産業界の進展に資することを目的としたものであります。なお、本会は会員相互に啓発し合い、切磋琢磨する場であると同時に、気楽なふれ合いのもと親交を温めるところでもあります。何とぞ、青森経済同友会の趣旨にご賛同をいただき、是非ご加入くださるようお願い申し上げます。

(平成6年2月)